2024.2.14

活動事例

東海大学で実施した出前授業について

出前授業を通じた海運業界の人材育成

 

はじめに

東京データラボ(以下、「データラボ」)は、 AI技術の研究開発やデータ分析などを通じて、海事産業の課題解決に日々取り組んでいます。 常に新しい情報を収集することや、海運業界に興味を持っている方たちへの支援を目的とし、データラボは積極的に勉強会や、出前授業に参加することを心がけています。その中でも今回は、東海大学にて実施した出前授業について、ご紹介します。

授業の様子①

出前授業について

本出前授業は、公益財団法人日本財団(以下、日本財団)が主催として、「MEGURI2040」(※1)の無人運航船プロジェクトが描く未来を、若い世代と共有していくために各地で実施しています(※2)。無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、世界に先駆けて内航船における無人運航の実証試験を成功させることにより、この分野の技術開発への更なる機運を醸成し、我が国の物流及び経済・社会基盤の変革を促進し、当該技術開発を支援しています(※3)。これまでも、様々な企業から高校生や大学生など若い世代に向けて、船舶の自動化技術など海事産業の最新技術について出前授業が実施されています。
今回は、JRCS株式会社(※4)と弊社が主体となり、東海大学静岡キャンパス(※5)にて出前授業を実施しました。対象は、東海大学の海洋工学系を専攻している学生となります。

対象:東海大学海洋学部 海洋理工学科 海洋理工学専攻、航海工学科 海洋機械工学専攻

出前授業への参加目的

今回、データラボは、海事産業で取り組まれている最先端のプロジェクトである無人運航船プロジェクトや、我々のような舶用メーカーが開発している最新技術について学生に興味関心を持って貰いたいと思い、出前授業に参加しました。
また、出前授業を通じて若い世代に我々の開発している技術を知ってもらうことで、海運業界の将来に向けた人材育成に貢献したいと考えています。

授業の様子②

出前授業の内容

本授業では、海運業界の現状や課題について把握してもらうべく、まず日本財団より「MEGURI2040の取り組み」の説明を学生たちに対して行われました。そしてその取り組みに参加しているJRCS株式会社と弊社からは、「無人運航船に向けた各社の取り組み」についての授業を実施しました。

出前授業のタイムテーブル

弊社からは、DFFAS+(※6)において 会社全体で取り組んでいる「無人運航船に向けた船舶側システム、陸上側システムの開発」について紹介し、データラボが取り組んでいる「AI技術を用いた機関異常検知・原因推定システムの開発」の説明と、システム開発における課題感を理解してもらえるような授業を行いました。

授業で利用した資料例①
授業で利用した資料例②

出前授業に参加して

本出前授業に参加することで、将来の海運業界で活躍する若い世代にも、海運業界や舶用メーカーが開発している最新技術について、興味を持ってもらえたと感じています。特に、AI技術に関しては学生からの質問もあり、AIに対する関心や興味が若い世代にも高まっていることを再認識できました。
データラボでは、船舶から得られる様々な運行データを分析し、船舶の異常検知システムなどAI・アプリケーションの開発やデータ利活用の基盤構築などを行っています。それらの技術を、勉強会や出前授業を通じて若い世代にも伝え、海運業界の将来に向けた人材育成にこれからも貢献していきたいと考えています。


(※1)無人運航船プロジェクトMEGURI2040「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」:無人運航船の実用化を推進する技術開発を行うことで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、その結果我が国の物流及び経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援する助成制度

(※2)プレスリリース:https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/meguri2040/demae

(※3)MEGURI2040:https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/meguri2040

(※4)JRCS株式会社:https://www.jrcs.co.jp/

(※5)東海大学:https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/campus-shizuoka/

(※6)DFFAS+:MEGURI2040において国内の関連企業で構成するDesigning the Future of Fully Autonomous Ships Plusコンソーシアム