2024.7.25

インタビュー

【TDL Member Interview6】

海事業界の役に立つことを追求し続けるチーフエキスパート

BEMAC株式会社 東京データラボ 
山田 隆志

 

新卒でBEMACに入社し、30年以上のキャリアを持つベテラン社員の山田。長年培ってきた豊富なドメイン知識を活かして、海事産業の課題に向き合う彼に、この会社でしかできないこと、今後のビジョンについて聞いた。

世の中に新しいものを提供できる場所

BEMACは地元でも開発に積極的な企業

1989年にBEMACに入社しました。他の地元企業からも内定をいただいてましたが、BEMACを選んだのは、開発部門があり、開発職でプログラミングの知識を活かしたいという思いがあったからです。開発部門があるということは、新しいものを生み出すことに積極的で、将来性がある企業であることを示すものだと思います。周囲にも相談したところBEMACは評判がよく、安心して仕事ができると感じて心が決まりました。

開発と普及。2つの軸で業界の課題を解決する

今は主に2つの業務を通じて、これからの海事産業を支える土台づくりを行っています。1つは「DFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)+」と呼ばれる、国内航路を走る船の無人運行の社会実装プロジェクト。ここではデータ活用を通じた異常検知や原因推定システムのためのプロジェクトマネージャーをしています。もう1つは「スマートナビゲーションシステム研究会」というところでの国際規格の開発と普及活動です。ビッグデータやIoTサービスを実現する船上・船陸アプリケーションを広めるためのプロジェクトに関わっています。

業界をリードする企業だからこそできること

国際的な“規格”をつくる仕事

スマートナビゲーションシステム研究会で関わっているプロジェクトの1つに、国際規格の提案・開発があります。
海事産業は新しい技術に積極的ではない面がありますが、これからの時代、問題を解決するためにIT技術が必須であることは明白です。そのときには、世の中のあらゆる技術と悩みをシームレスに繋ぐためのものが必要であり、それが規格だと思うんです。特に私たちが開発提供しているサービスは、これまで世の中になかったもの。国際規格をつくることは、サービスを安全に活用してもらうためのルールづくりであり、世界の中でリーダーシップを取ることです。DXにいち早く取り組んできた私たちだからこそできる仕事だと思います。

自分の仕事が全世界から認めてもらえた瞬間

国際規格を開発して発行されるまでには、いろいろな壁があります。国際というだけあって、本当に全世界からコメントが届くので、それらに対して一つひとつ説明をして納得してもらうのは骨の折れることでした。そのプロセスを繰り返していくことでしか突破はできないので、規格が発行されたときは自分のやってきたことが認められた嬉しさで胸がいっぱいになりましたね。規格をつくった実績があると、企業の存在感も高まりますし、今後のビシネス展開を考えることもできる。海事産業の課題を解決する会社として、必要なことをやり遂げられたと思います。

革新を生み出す機会が多く転がっている業界

海から陸へ。これまでの常識を覆すために

海事産業のなかでも、この船舶業界というのは開拓できる余地がたくさんあると思っています。安全性を最優先している業界なので、今ある技術というのは、陸で培われたものを転用しているのがほとんどなんです。そのためモビリティ業界にいた方など、この業界に染まっていない人からすると、革新となる解決策の機会は多く転がっているはず。そういった人がたくさん集まると、海で生まれた技術が陸で使われるという、今までにないことが起こるんじゃないかと期待しています。

自分の中にある当たり前を再構築する

私はもう30年以上、この業界にいるので、新鮮な視点で海事産業を捉えるのが難しくなってきました。特に一人でそれをやるにはかなりのパワーがいります。なので、他者からの意見や視点がとても欲しいですね。今、海から陸への発展を実現するために、ほかの産業にいる企業とつながりをつくることを実践していますが、そうしたことを社内でもできたら、また新しい挑戦が見えてくる気がしています。若い技術者にとってもチャンスが多い業界です。これからの時代を牽引するようなパワーや気持ちを持つ人を集めて、支えていくような存在としても自分自身を鍛え続けていきたいですね。