2025.1.23

活動事例

東京海洋大学 海洋AIマッチングWeek

【インターンシップ】東京海洋大学 髙橋さんの体験談

 

はじめに

BEMAC東京データラボ(以下、「データラボ」)は、AI技術を活用した研究開発やデータ分析などを通じて、海事産業の課題解決に日々取り組んでいます。今回は、東京海洋大学からインターンシップとして参加いただいた髙橋さんに、実際のビジネス課題に取り組んでもらった体験談を語ってもらいました。
東京海洋大学 海洋AIコンソーシアム

自己紹介

東京海洋大学大学院、修士2年の髙橋 顕嗣(たかはし あきし)です。私は自動運転に必要な物体検出技術に関する研究を行っています。具体的には、ステレオカメラ(2つのレンズを持つカメラ)を用いて、画像から車両や歩行者といった物体を検出し、その検出結果をもとに物体の速度を推定することを目指しています。研究でプログラミングを行うことはありますが、実務での経験はなく、本格的なデータ分析も今回初めて挑戦しました。

高橋さん(BEMAC東京支社にて)

インターンシップの概要

東京海洋大学が実施している学生と企業のインターンシップをマッチングする海洋AIマッチングWeekを通して、BEMACのインターンシップに参加させていただきました。実施期間は週2日の4週間程度で、業務内容としてはビジネス課題に対するデータ分析を行いました。また、BEMACの理解をよく深めるために、愛媛県今治市にある本社を訪問し、みらい工場・波方工場・大西工場を見学させていただきました。

インターンシップの業務内容

ある自治体とAIを活用するプロジェクトに参画し、ビジネス課題の理解とゴールの確認をメンターと実施しました。その後、本プロジェクトのビジネス課題を解決するために次の①~⑤のプロセスを実施しました。なお、データ分析およびロジック実装にはPythonを使用しました。

データの分析設計
  分析課題や検証内容を設定する。
データの可視化
  データにどのような特徴があるか可視化して調べる。
ロジックの作成
  パターン化したデータを分析するロジックを作成し、プログラミングをする。
④指標の設定
  
検証に必要な指標を設定する。
⑤ロジックの検証
  設定した指標に基づいて、ロジックの精度と効果を検証する。

インターンシップの感想

今回のインターンシップでは、ビジネスの現場でデータ分析に取り組む機会をいただき、非常に貴重な経験を得ることができました。特に、ユーザ目線を踏まえて分析課題を設定することの重要性を深く実感しました。単なるデータ処理にとどまらず、ビジネスのニーズや課題を考慮した業務プロセスは、普段の研究では得られない新たな視点を提供してくれました。このユーザ目線を踏まえる作業は、当初の想像以上に裁量が大きく、難しさを感じる場面も少なくありませんでした。しかし、その分だけ新鮮さがあり、面白さも強く感じることができました。この経験を通じて、社会のニーズを的確に理解することが、自身の研究目的を見直し、適切に修正するために不可欠であると気づかされました。自分の研究価値を客観的に捉える良いきっかけになったと思います。

まとめ

今回のインターンシップでは、少人数で構成された精鋭チームの中でプロジェクトに取り組む雰囲気を感じることができました。データ分析に不慣れな私にも丁寧にサポートしていただき、非常に学びやすい取組みやすい環境でした。今治では、新設された社員寮「驀進ベース」に宿泊し、快適な環境で過ごすことができました。また、工場では溶接作業や自動倉庫の稼働状況を見学し、物流効率化の現状や課題について考えを深める良い機会となりました。

BEMAC波方工場の自動倉庫(高橋さん撮影)

別のプロジェクトでは、協力会社や外部ベンダーとの打ち合わせに参加させていただく中で、ビジネスの現場における認識共有や合意形成の重要性を強く実感しました。実際の打ち合わせを間近で見ることで、意思決定のプロセスや効果的なコミュニケーションの方法を知ることができました。
今回のインターンシップを通じて、ユーザ目線を踏まえたデータ分析を経験でき、さらに自身の研究価値を再考するきっかけとすることができました。さらに、その価値を根拠とともに他者に伝え、実際に活用してもらうことの重要性を深く学びました。この経験を活かし、今後の研究に取り組んでいきたいと思います。

メンターからのメッセージ

高橋さんは1か月60時間という限られた稼働時間の中で、データ分析未経験からスタートし、積極的に挑戦を続けてくれました。最終報告会では、それまでの高橋さんの取り組みの結果をプレゼンし、関係者から多くのフィードバックがありました。このフィードバックは、高橋さんが自己分析を行い、自身の成長に役立てるための貴重な材料にもなるかと思います。高橋さんにはこのインターンシップを通じて多くの挑戦をしていただき、私たちにとっても刺激的な存在になりました。この経験が今後の研究生活やキャリアにおいて大いに役立つことを願っています。高橋さんの今後のさらなるご活躍を楽しみにしています。

担当メンター:BEMAC 東京データラボ 加藤 達也

今後のデータラボの取り組み

今後もデータラボは海運業界に興味を持つ学生を積極的に支援するため、東京海洋大学をはじめ、様々な大学・研究機関との連携に取り組んでいきます。このようなインターンシップを通じて、海運業界に興味を持っている学生への支援を続けていきます。