2025年5月29日(木)〜30日(金)、愛媛県松山市の愛媛県県民文化会館にて開催された「日本船舶海洋工学会 2025年春季講演会(JASNAOE)」において、BEMAC東京データラボでレジデントシップを行った東京海洋大学 博士課程所属のダラシリ・クリツァーダさんが研究成果を発表しました。
※日本船舶海洋工学会 2025年春季講演会の詳細は下記をご参照ください
https://www.jasnaoe.or.jp/lecture/2025spr/
※ダラシリさんのレジデントシップ体験談はこちら
発表概要
講演タイトル:Analysis of Actual Berthing Manoeuvre Using AIS Data
発表者:ダラシリ・クリツァーダ(東京海洋大学 大学院)
講演日時:2025年5月30日(金)
会場:愛媛県県民文化会館(愛媛県松山市)
研究テーマ概要(日本語要約)
本研究は、船舶の自動離着桟制御システムの実現に向けた基礎研究で、AIS(船舶自動識別装置)データを活用して実際の着桟操作を解析するものです。着桟時の船速変化に着目し、異常検出アルゴリズム「ChangeFinder」を用いることで、操船者が減速操作を開始するタイミングを検出し、実際の運航データから着桟動作を抽出しました。
研究はさらに、船型・大きさ・港ごとの違いを含めて、名古屋・東京・横浜の各港における着桟挙動を比較し、実運用に基づく速度制御の傾向と着桟戦略のパターンを可視化・分類しました。
この成果は、将来の自律運航船における着桟計画の自動生成に向けた重要な基盤データとなります。
発表風景
発表当日は多くの聴講者が訪れ、質疑応答では産学双方から高い関心が寄せられました。今後の自律運航に向けた実用的な応用にも期待が寄せられています。

発表会場にて登壇中のダラシリさん

発表部屋の風景

学会ポスター前での記念撮影
ダラシリ・クリツァーダさんのコメント
「BEMAC東京データラボでのインターンを通じて、理論だけでなく現実の運航データを扱う実践的な研究を経験できました。学会発表という形で成果をまとめることができ、多くの研究者や企業関係者と議論できたことは大きな財産です。」
今後について
東京データラボでは今後も、実社会の課題と向き合う研究開発に加え、次世代を担う学生・若手研究者との連携を深めてまいります。インターンや共同研究等を通じ、海事産業に新たな視点をもたらす人材の育成を継続して支援していきます。