はじめに
現在、我々が参画しているDFFAS+は、自律運航船の社会実装のために、日本財団と国内の多くの団体が共同で取り組んでいるプロジェクトです。国際的にも先進的な技術開発が多数行われており、その成果を新しい国際規格(ISO規格等)に繋げる取り組みを行っています。
東京データラボではスマートナビゲーションシステム研究会(※1)設立当時から主要メンバーとして参加しており、これまでにスマートナビゲーションシステム研究会で開発したISO規格が、自律船の開発や運航に活用されている事例について「自律運航船におけるSSAP発ISO規格の適用事例の紹介」と題して講演を行いました。
※1 スマートナビゲーションシステム研究会は、ビッグデータ・IoT時代におけるスマートな船舶海洋サービスの実現に向けた活動を行っています。
講演の概要
講演では、スマートナビゲーションシステム研究会で開発した国際規格として、ISO19847/ISO19848/ISO16425の概要の説明と、DFFAS+の取り組み概要とDFFAS+で開発を進められているフォーラム規格の概要について説明を行いました。DFFAS+の取り組みの中で、スマートナビゲーションシステム研究会で開発された国際規格で参照された仕組みや機能として、船上のデータを陸上に送信する船陸間通信の仕組みや管理方法と、陸上に送信されたデータをセキュアにアプリケーション提供や、その他の陸上のデータベースに共有する仕組みなどについて説明しました。また開発されたISOは特定の製品開発に利用されるだけでなく、業界全体を巻き込んだプロジェクトなど広く利用されているという事と、利用された結果を国内の国際規格の開発にフィードバックされる循環環境が整いつつあることを説明しました。
セミナーを通じた参加者からの反響
自律船に関する規格化の動向や紹介された参照された仕組みや機能の詳細な内容と、DFFAS+プロジェクト以外での活用事例などについて質問が寄せられました。



今後のデータラボの取り組み
東京データラボではDFFAS+プロジェクトの取組として、陸上に送信されたデータを使用した予兆検知システムの開発と、陸上に送信されたデータの運用、管理に関するフォーラム規格の開発を進めています。フォーラム規格の開発で検討された機能や要件をスマートナビゲーションシステム研究会が開発した国際規格に反映をさせることで、自律船に関する情報をより安全で使いやすくし、自律船の運行や開発に役立てられ、舶用の業界で当社や日本がリードできるようにしていきます。