2026.3.18

インタビュー

【TDL Member Interview11】

自動車制御から海へー生成AIと創る洋上の安全

BEMAC株式会社 東京データラボ モデリング&シミュレーション課 
森田希望

 

自動車ECUの制御仕様づくりから、船がいるべき位置に自律的に留まるDPS(Dynamic Positioning System)の開発へ。生成AIを武器に、制御開発に踏み出した若手エンジニアに話を聞いた。

CONTENTS

  • ・社会に届くプロダクト×生成AI―入社の決め手
  • ・テラヘルツ光の研究と自動車ECUで鍛えた「細部を見る力」
  • ・船がいるべき位置に自律的に留まるDPS、その要となる開発ミッション
  • ・お客様との距離が近いからこそ感じる責任と成長
  • ・海事産業の課題解決は、技術者の腕が試されるフィールド
  • ・生成AI を用いたDPS開発で「なくてはならない存在」へ

社会に届くプロダクト×生成AI――入社の決め手

前職では、自動車ECUの制御仕様書を作成していました。試作段階の開発が多く、その成果が実際に世の中に出るかどうかは不透明で、関わる相手も社内が中心であり、自分のアウトプットが社会にどうつながっているのかをもっと実感したい、という思いが強くなっていきました。
加えて、機密性の高さから生成AIがほとんど使えない環境だったことも、自分の志向とのギャップでした。AIが大きく進化するなかで、その可能性を仕事で試せないことに物足りなさを感じていました。
そんな中BEMACの存在を知り、エンジニアが直接お客様の声を聞ける機会が多いことや、生成AIを活用しながら自分も成長でき、社会に価値を届けられる。その両方を実現できる環境だと感じ、BEMACへの入社を決断しました。

テラヘルツ光の研究と自動車ECUの設計で鍛えた「細部を見る力」

学生時代は、テラヘルツ帯域の光を用いた実験研究に取り組みました。光学系の構築から測定、波長推定のためのデータ解析まで、一連の工程を自分で組み立てる必要があり、理論と実験を行き来しながら微細な調整を積み上げていく日々でした。
前職では、自動車ECUにおけるセンサ値の処理フロー設計や、診断機が故障箇所を特定するための通信仕様の設計を担当。車両のコアとなる制御部分に関わる中で、「見えないところで動くロジック」を丁寧に組み立てていく姿勢が自然と身についたと思います。

船がいるべき位置に自律的に留まるDPS、その要となる開発ミッション

現在は、モデリング&シミュレーション課でDPS関連の開発に携わっています。DPSは、波・風・潮流といった外乱が絶えず変化する海上で、船を特定の位置と向きに留め続けるためのシステムです。外の環境変化をセンサで捉え、その変化に応じて推進器の出力や向きをリアルタイムに調整することで、指定された位置・船首方向を保ちます。
現在のミッションは、DPS制御の基本的な考え方やシステム構成を理解し、シミュレーションモデルの挙動と実際の制御を結び付けて理解できるようになることです。 ゆくゆくは、ソフト・ハード面からDPS制御を理解して開発を行っていけるようになりたいです。

お客様との距離が近いからこそ感じる責任と成長

まだ着任して間もないですが、前職との違いは大きいと感じています。
東京支社はお客様との距離が近く、ニーズやご意見を直接伺いながら開発を進める機会があります。自分のアウトプットがそのままお客様や社会に届いていく感覚があり、フィードバックも得やすい。そこに大きなやりがいがあります。
一方で、社会にすぐ影響する領域だからこそ、求められる品質もスピードも高いレベルが求められます。そのプレッシャーはありますが、その分だけ学びも多く、毎日新しい発見があります。

海事産業の課題解決は、技術者の腕が試されるフィールド

海事産業では、高齢化や人手不足が進み、経験や勘に依存してきた重要なオペレーションをどう次世代につなぐかが課題になっています。従事されてきた方々の知見は非常に貴重ですが、それを技術で補完し、省人化・効率化を実現していくところに、エンジニアとして大きな挑戦と魅力を感じます。これまで自動化が進みにくかった領域に、AIやデジタル技術を適用して仕組みを再構築していくのは、難易度が高い分、技術者としての腕の見せどころだと思っています。現場の負荷軽減や産業の持続性向上に直接貢献できることは、社会的意義の大きさにもつながります。

生成AIを用いたDPS開発で「なくてはならない存在」へ

今後は、生成AIやデジタル技術を積極的に活用しながら、開発プロセスの効率化や品質向上に貢献していきたいと考えています。
お客様と近い距離で得られる生の声を取り込み、現場の課題を正しく捉えたうえで、「本当に価値のある仕組み」を形にしていくことが目標です。
最終的には、DPSのソフト・ハードの両面を深く理解し、期待される以上の成果を出し続けられるエンジニアとして、「この人がいないと困る」と言ってもらえる存在を目指しています。