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【グループに、訊く。】PEシステムグループ
社内報うずしお

BEMACの社員らが対談方式で部署の仕事ぶりを語る「グループに、訊く。」

パワーエレクトロニクスの研究、開発を行っている「PEシステムグループ」から黒川智史主事、横山雅哉さん、原島征弥さんの3 人に、仕事のやりがいや失敗談、昨年完成した試験棟「GIRD」の事などを聞きました。

 

右から、黒川智史主事、原島征弥さん、横山雅哉さん

 

◆技術屋が文章で伝える大切さ……入社当時の想い出と失敗談

黒川 技術的なことなど、付きっきりで開発の仕事の基礎を教えていただいた先輩がいました。中でも文章の書き方・伝え方の部分は厳しく教えられ、私たち技術屋がどのような文章を書くべきか、読み手に瑕疵なく自分のやっている内容や試験結果を伝えることが、いかに大切かを教えていただきました。現在は私が教育担当になって人が書いた文章を見る機会が増えたので、日々伝え方の大切さを再確認しています。

横山 Finish論文は印象に残っています。配属されて3カ月経った頃から始まり、方向性や試験計画を立てました。試験が必要だったのですが、途中で試験機が故障するアクシデントがあり、結局広島に出張して行ったことがありました。

原島 リチウムイオン電池を解体中にドライバーが電極に触れてショートしました。火花が散って焦りました。

 

◆仕事も生活もいい感じに充実……日頃から心掛けていること

黒川 試験を実施する前に、「なんとなくどうなるか」という仮説をもって試験に臨むよう意識しています。「どういう結果が得られれば望ましいか」ということの解像度が低いと上手くいかないことが多いからです。

横山 打合せや業務中にわからないことがあればメモして、あとで調べるようにしています。わからないまま放置すると、その後に出てくることも連鎖的にわからなくなるので。

原島 昨今「ワークライフバランス」という言葉をよく聞くようになりましたが、仕事も生活もいい感じに、充実した生活をしたいと思っています。想定した通りの動きをすると「あっ、できた!」ってなる。

 

 

「あっ、できた!」の喜び……仕事のやりがい

黒川 基板の設計をして、電気を通して、製作したものが初めてちゃんと動いた時にはやりがいを感じます。基本、想定通り動かないことがあるので。製品化するには、規格試験に合格する必要があります。「これは絶対大変だろうな」という試験に合格できた時にもやりがいを感じます。

横山 私も今のハードの話をソフトに変えた話になりますが、先輩や上司に教えてもらって作って当然動きません、みたいになって、「こうすればいいよ」と教えられて直して、想定した通りの動きになった時に「あっ、できた!」ってなります(笑)。

原島 自分でプログラミングしたものが無事動いた時、また、他のプロジェクトに携わった時に「ありがとう」と言われると嬉しいです。あとは給料日と賞与です(笑)。

 

◆400 ページの英語のマニュアルを要約……印象に残っている仕事

黒川 50kW電源試作機の試作初期段階の頃の試験のことが強く印象に残っています。開発当初、海技研のガスエンジンと負荷装置を使って電源の動作確認を行っていたのですが、当時は電源開発を始めて間もなかったので、四六時中IGBTやコンデンサなどを爆発させていました。とても貴重な経験をさせていただいたと思います

横山 去年の12月、中国で開催されたMarintec Chinaです。仕事で海外に行くことが初めてだったのですが、メインでされていた方から担当を引き継ぐことが決まっていたので、プレッシャーもありました。言葉の壁もありましたが、なんとか対応することができました。

原島 GIRD が建ったことです。また、去年の始め頃に新しい製品のPLC(制御装置)を作ったのですが、400 ページの英語のマニュアルを読み込んだりと大変でした。マニュアルを要約したものを毎週提出しましたが、結局自分以外、英語のマニュアルを読んでませんでした(笑)。

 

 

◆「結構、自由裁量」「風通しが良い」……自分の部署のいいところ

黒川 結構自由裁量が認められている点と、「不明点や疑問点があればつきつめなさい」と言ってくれることは、ありがたい環境だと思います。

横山 先程話したMarintec Chinaで動画を制作することになり、最初は上司の小松さんにその都度内容の確認を取っていましたが、途中で「好きにやっていいよ。何かあったら責任取るから」と言ってくださいました。そういう点はとてもいいところだと思います。

原島 風通しが良いところです。自分のプロジェクト以外の人とも話す機会が多いですし、「こういう時はこの人に聞いてみよう」という選択肢も多いです。

黒川 管理職のフットワークが軽くて、気軽に話かけやすいのはいいところだと思います。

 

◆実際に使っている機械で模擬試験できる…… GIRDについて

黒川 とにかく引っ越しが大変でした(笑)。使い始めて気付くことも多く、結構な電線の長さが必要だったり、部屋間の配線を通すところが必要、とか。今後もいろいろ物が入ってくるので、試験スペースの取り合いが激しくなりそうです。発電機、電池、負荷(モーター)も含めてシステム全体を模擬する試験はこれまで種々の制約により実施できませんでした。電源装置個別の試験と並行して、システムとしてどう動作するのかという点についても検証を行いたいです。

原島 船舶の実際に使っている機械、船級に対応してる機械を使って模擬して研究開発ができます。それが一番の利点であり、GIRDでやりたかったことなので。休日を楽しんでください。趣味の時間を作ることも大事。

 

 

◆「思ったことを先入観のない視点で意見して」……若い人に思うこと

黒川 一つは、いろいろな角度からの意見があるのは非常に大切なことなので、技術的な部分はさておき、思ったことを先入観のない視点で意見してほしいです。一方で、自分も含めてになりますが、時間を見つけて継続的に勉強したほうがいいと思います。特にパワエレは電力、電子、制御と広い分野の知見が必要とされるので、基礎の内容が重要です。

横山 年齢が近い人に対してはそこまでかしこまらなくていいように思います。仕事場ではないですが、驀進ベースの新しい入寮者の歓迎会があったんですが、すごくかしこまっている人がいて。「飲み会の場なのに」と思いました(笑)。

原島 休日を楽しんでください。そして平日はしっかり働きましょう。家で寝るのが悪いとは言いませんが、趣味の時間を作ることも大事なことだと思います。

 

◆広範な技術を身に付けた技術者になりたい……これから

黒川 個人的には、パワーエレクトロニクスのハードに絞ってもまだまだ技術力が足りていません。回転機に関する知識や制御に関する知識を含め、パワエレに関わる広範な技術を身に付けた技術者になりたいです。また、プロジェクトを計画通り、円滑に進める能力も身に付けたいです。会社的には、パワエレ関係の製品販売、Sierとしての地位確立をする上で、会社全体の電気への理解度を上げる必要があると思います。

横山 個人的には、ソフトがバリバリ書ける人になりたいです。また、要件定義の最初のところから、設計、開発、テスト、保守と、一連の流れの中で、やろうと思えば「じゃあここからできますよ」と言えるくらいのレベルを目指していきたいと思います。会社的には、△棟と□棟にもっと一体感が出てくればいいなと思っています。

原島 個人的には、給料がいっぱいもらえる人になりたい(笑)。The Switch社が洋上風力をやっていますが、大きな機械を動かすのが好きなので、それに携わってみたいです。会社的には、本当にシステムインテグレーターになるために、もう少し人員を増やしてもらいたいです。

 

 

【PEシステムグループ】

PEシステムグループは、電力を効率的に制御・変換・供給するパワーエレクトロニクスの研究、開発を行っています。電力をエネルギーとして使用する「強電」のパワエレ技術による製品を開発し、温室効果ガスGHG 排出量抑制、カーボンニュートラルの実現を目指します。

次世代の船舶向けバッテリーマネージメントシステムやハイブリッド電源、ハイブリッドモータードライブなどの開発を、シミュレーション、検証試験を重ねて、船舶搭載に適した高効率かつ小型軽量な機器を提供し、電力エネルギーマネージメントの最適化を目指しています。グループ内の社員は現在15 人。

 

【研究拠点「GIRD」】

昨年11月に、国内トップクラスの試験設備を備えたパワエレ試験棟「GIRD」が完成しました(鉄骨造2 階建、延床面積約700平方メートル)。船舶電動化、陸上再生可能エネルギー、カーボンニュートラルポートなどの研究拠点となります。例えば実際に施設の中で発電機、モーター、バッテリー、インバーターなどを結合させて、電気推進船の状態を作って全部検証できるようになります。

シミュレーションだけはなく、試験棟での実証により、製品の性能・信頼性もさらに向上できます。

将来は各種研究機関や大学との連携し、業界の慢性的なパワエレ研究者不足解消にも貢献していきます。