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「止まらない船」実現へ、弓削商船高専の5人がMRゴーグルを開発!
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                 プレゼン前にポーズを取る弓削商船高専の学生5人

 

地方の若手人材育成発掘事業「LEADING EDGE 四国」の最終報告会が2月1日、愛媛県松山市内で行われ、大学生や高等専門学校生など6組が新規事業のプレゼンテーションを行いました。BEMAC株式会社の提示したテーマを選択した弓削商船高等専門学校(愛媛県越智郡上島町)の学生5人による「離島人材チーム」も、安全な航行を支援するMRゴーグルを発表し、大きな拍手を受けていました。

 

「LEADING EDGE 四国」は、四国にゆかりのある若者と愛媛県内の企業が協同で事業を創出する新しい取り組みで、公募・プレゼン審査を勝ち抜いた6組が企業から支援を受けて、5か月間で開発に取り組みました。

 

2月の最終報告会には愛媛大学、香川大学、新居浜工業高等専門学校、弓削商船高等専門学校の4校の学生による6チームが出場し、愛媛県内企業から出された様々なテーマに基づいて開発したシステムやアプリ、製品を発表しました。

 

 

 

「チーム離島人材」のメンバーは、田房蓮一郎君(情報工学科3年)、小井川秀斗君(専攻科生産システム専攻2年)、下見真生君(専攻科生産システム専攻2年)、ENKHTUVSHIN BATBOLD君(情報工学科3年)、平松夏々翔君(情報工学科2年)の5人。

 

「MRデバイスとスターリンクを活用した航行支援システム」と題した彼らのプレゼンによると、開発したMRゴーグルを装着すれば、運転室からでは死角になる船外の360度の映像を船の外につけたカメラから得て、まるで透視するような形で表示できます(360度見張り機能)。また船内や衛星情報から得た航行情報で、海の上に航路のラインを表示できます(航路支援機能)。操作性と視認性の優れたこのゴーグルで、船員は船外作業が軽減され、正確な航路情報を常に取得することができるようになります。

 

ここまで到達するには、様々な試行錯誤がありました。映像を低遅延で配信できる通信規格を使うために拡張機能のプログラムを書き直したり、航路情報を取得するのに必要な船内のデーターベースが使えず、自作システムを作り上げたり、海上実験が強風で中止になったりと、困難をチームで乗り越えて完成させました。「決して止まらない船を創る」という当社からのクエストに対し、大型船舶における海上事故をゼロに近づけていく安全航行支援システムを開発することで、見事クリアしました!

 

リーダーの田房君は「BEMAC社員の方々と話し合いをしたり、いろいろな人と出会ってその人たちの考え方に触れられたのが一番楽しかったです。MRゴーグルの開発は、参考になるものが少なくて、みんなで試行錯誤しながら製作しました。これからもいろいろな開発をやっていきたいです」と振り返っていました。

 

                     ゴーグルを装着すると、手で操作できます

 

プレゼンに耳を傾けたBEMAC株式会社経営企画室副室長の矢原明典は「当社の『決して止まらない船を創る』という思いに共感していただき、素晴らしいシステムを開発していただきまして、ありがとうございました。皆さんの取り組みに私たちが逆に刺激を受け、勉強させてもらいました」と絶賛していました。

 

最終報告会の動画はこちら

https://www.leadingedge-shikoku.com/