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EV事業 JICA普及実証事業の完了報告
EV事業,社内報うずしお

独立行政法人 国際協力機構(JICA)の中小企業支援事業・普及実証事業において、今年の4月に提出した業務完了報告書『環境負荷を低減する電動三輪自動車(Eトライシクル)都市交通システムの普及・実証事業』がJICAの検査を終え、事業の完了に至りました。

 フィリピンでは都市部の交通渋滞や、ガソリン車両からの排気ガスによる大気汚染が深刻となっています。本事業では、フィリピンのケソン市(人口:293万人 2015年)において、環境に優しいEトライシクル20台を運行し、その収益性を確かめる実証試験をトータルで6カ月間にわたり実施しました(5台のテスト運行を3カ月間、15台の本格実証を3カ月間)。いわゆるテストマーケティングを兼ねた実証事業となりました。同時に、フィリピン大学の協力を得てガソリントライシクルの排気ガス調査もおこないました。

 本実証事業ではガソリントライシクルと同じ料金設定(初乗り8ペソ、1ペソは約2.1円)で運行しましたが収益性は上々で、ガソリントライシクルによる収益を上回る結果が得られました。また、乗客に対するアンケート調査では、乗り心地に対する満足度は高く、20ペソ以上の料金を支払っても良いという回答が65%に上りました。排気ガス調査では、ガソリントライシクルからの排気ガスの測定と、発電・送電過程における温室効果ガスの排出量の試算をもとに、Eトライシクルが環境負荷の低減に有効であることが示されました。

 EV事業では、Eトライシクルの普及に向けて、オーナーやドライバーに対する融資手続きを容易にできる環境を整えていくこと、導入コストを抑えるために低価格な車両を提供していくことなど、様々な課題に取り組んでいます。