2023.7.27

インタビュー

【TDL Member Interview4】

異なる職種からデータサイエンティストへ挑戦

BEMAC株式会社 東京データラボ 
曽根 誠子

 

造船所にて、誘導加熱装置の設計、造船の生産計画、経営管理を担当。
その後、小売業における経営計画の策定、BIツールを利用したデータ分析に従事。
造船のドメイン知識・経験を活かしたデータ分析・AI開発のため、2022年12月にBEMACへ入社。

BEMAC入社の経緯

BEMAC入社までの経緯を教えてください。

とにかく好奇心が強く、色々なことに興味津々な学生でした。特に環境やエネルギーに対する問題に興味を持ち、その中でも「海」という身近なようで未知な世界のことをもっと深く知りたいという思いから、海洋関連の大学に進学しました。就職活動では海事業界を希望し、10年ほど造船会社に勤め生産管理業務や経営分析、中期計画策定にも携わるなど、幅広い業務を担当してきました。

BEMACに入社したきっかけは?

入社したきっかけは、日本財団が目指す無人運航船プロジェクト『MEGURI2040』のニュース記事にBEMACの記載があったことや、「決して止まらない船」の実現を目指しデータ分析やAI開発を積極的に取り入れたプロジェクトに共感し、自分も貢献したいと感じたことです。海事業界は成長分野で、歴史に裏付けられた高い技術力を有しており、その技術に頼る傾向にありますが、それだけでなく新しい技術を導入していく挑戦心にあふれたところも大きな魅力に感じました。数年前、私は自分の視野を広げたいと造船会社から転職し、海事業界を一度離れたのですが、日経新聞などで無人運航船への挑戦や海難事故などのニュースを見るたびに、「やはり海事業界で自分も何かできることがあるのでは」と日々頭によぎるようになりました。

海事業界で課題に感じていることは?

海事業界においては、どれほど管理を強化していてもニュースになるような大事故が発生してしまうこともあります。今後、多くの若者が業界で活躍してもらうためにも、無人運航プロジェクトのような先進的な取り組みや、船員の方々などが安全に働ける環境づくりが必須だと、異なる業界に一度転職して客観的・俯瞰的に自分を見つめ直せたことで、やりたいことがさらに明確になりました。

他分野からデータサイエンティストを目指した理由

データサイエンティストを目指したきっかけを教えてください。

学生時代の頃、友人の知り合いが乗船した船舶に火災が発生したとのニュースを耳にしたことがあります。一報は届いたものの、その後の情報が入らずただ待つしかできない緊迫した時間を過ごしました。陸上であれば、報道機関やSNSなど様々なメディアから多少なりとも状況を把握することができるのですが、船上の事故は入ってくる情報が極端に少ないため、必要以上に不安を感じたことを鮮烈に覚えています。こうした経験もあり、以前と同様の職種ではなく、もっと異なる視点から課題解決に取り組める場所はないかと模索した結果、データ分析やAI開発ができるデータサイエンティストという職種を選びました。

海事業界特有のデータは?

海事業界が他の分野と異なるのは、外部環境が複雑に変化することです。陸上のプラントにはない、ローリングやピッチングといった複雑な船の揺れや、寄港地により変化する気象、貨物の状態による喫水の変化などがあり、その影響は解明しきれていないのが現状です。

データサイエンティストの魅力は?

私は、この職種は年齢や経験に捉われず、誰でも活躍ができる仕事だと感じています。海事業界は歴史が長い分、これまでの経験、やり方が引き継がれる傾向にあります。しかし、データサイエンティストという職種は、「データ」という統計的な結果を用いてプロジェクトを進めていくので、人の感情や経験にプラスして、新しい角度からの見解や方法を模索できます。そういった部分に魅力を感じたこともあり、私はこれまでの異なる職種での経験を活かして、ドメインに寄り添ったデータサイエンティストとして今後も安全・安定した運航のためのソリューション開発に携わっていきたいと考えています。

今後の取り組みについて

今後の目標を教えてください。

BEMAC東京データラボでは、デジタル技術をコアとした多様なテクノロジーを用いて、海事産業の課題解決に日々取り組んでいます。データラボの一員となってまだ日は浅いですが、経営分析など異分野での経験と知識を発揮し、他のメンバーとは違った角度からのアプローチも積極的にしていきたいと思っています。