2023.6.1
世界的なGXの波に乗りパワエレ技術で大きな成長を目指す。

パワーエレクトロニクス
システムグループ・グループ長
カーボンニュートラル実現に向けて未開拓のパワーエレクトロニクス事業推進を決意したBEMAC。技術経験者として2019年に入社後、3つのプロジェクトを立ち上げ、グループ長として電気推進装置の開発やパワーエレクトロニクス機器の大容量化推進の指揮を取る小松に、船舶業界のトレンドやミッション実現のために行っていることを語ってもらった。
船舶に特化した試験棟GIRD(ガード)を建設中。
2027年には自社製品をリリース予定。
2019年から取り組んだモーター開発を経て、今では3つのプロジェクトチームが立ち上がり、それぞれが研究開発を進めています。
リチウムイオン電池を用いた次世代バッテリーマネジメントシステムの開発では、今年度(2023年)には欧州のバッテリーサプライヤーから提供いただいた電池を使った、バッテリーマネジメントシステムの開発が完了し、製造移管まで行われる予定です。クライアントからのオーダーにもどんどん応えて、販売促進していく計画を立てています。

リチウムイオン電池充放電装置を用いた次世代ハイブリット電源開発には2つの目標があります。1つは他社の電源メーカーを活用しながら製品リリースをすること。これは2025年までの達成を掲げていますが、前倒ししながら、予定よりも早く世の中に出したいところです。
もう1つ目の目標が自社で500kVの電源をリリースすること。これは2027年までに達成したいものです。2022年には250KVA相当のインバータユニットを施策しており、基本的な検証が完了しています。今年度(2023年)はこれをベースに、容量を倍にした、大容量インバータユニット試作検証していくというステージにいます。

次世代ハイブリットモータードライブの開発でも、他社技術の活用と自社開発の2つの計画が走っています。自社開発のほうでは2027年に目標に製品リリース予定です。今は2000kW相当の誘導電動機が回せる大容量インバータドライブシステム開発を目指しています、400kW相当のインバータユニット単体の検証がほぼ完了したので容量を上げていくことと、冗長性の実現にむけて、特殊な「二巻線」と呼ばれる、片巻線が壊れても、もう片巻線でカバーできる製品開発にメンバーたちが試行錯誤しています。
3つのプロジェクトの連携を強化していくことも今後の目標です。今は3つのチームが連接して試験できる棟を建設しています。リチウムイオン電池の自社開発のための電池室や、2,000kW相当の10トンを超える電気推進用モーターが2台並べて試験できる設備、バラックで検証できるようなエリア、負荷試験でバッテリーシミュレーターなどを組み合わせながら、船と同じような等価評価できる場所ができます。
手前味噌ですが、船舶に特化しながら、これだけの容量に対応可能で、かつ電池やシステムが連動してできる試験室・電波暗室まで構えている会社っていうのはBEMACだけだと思います。完成が楽しみ。ぜひ期待してください。
今、出会いたいのはマイコンのソフト設計者。
開発スピードを上げるべく採用強化中。
設備の建設と合わせて、強化していきたいのが技術者の採用です。今も本当に困っていて、一人でも多くの技術者を採用したいと考えています。

かっこいい組織作りに憧れますが、なかなか難しく…協力してくれる人を一人ひとり巻き込みながら、地道に活動をしているところです。
今一番求めているのは“マイコンのソフト設計と構造設計のセンスがある人”。過去にヨーロッパのインバータメーカーを視察したことがあるのですが、非常にコンパクトで合理的な作り方をしていたのが衝撃でした。構造設計やデザインのレベルは私たちの遥か上です。
日本でも機械系のエンジニア、特に自動車メーカーで構造設計の仕事を経験している方だと、構造設計のセンスがある人が多い傾向にあると思っています。
これは私の仮説ですが、自動車という限られたスペースの中に収まるよう機器を設計しないといけないので、合理的に進めていくセンスが日頃から鍛えられている方たちなんですよね。より積極的に採用していきたいです。
新しいことを連続して経験できる。
すべてのエンジニアにとって大きく成長できる環境。
BEMACは現在、売上で数百億規模ぐらいの会社です。日本の船舶業界ではそれなりの規模の会社ですが、世界的に見るとまだまだ小さな会社です。数年後にはもっと大きな規模の会社に成長する予定です。今メインにしている事業だけで飛躍的な事業拡大はかなり厳しい。ここから大きな付加価値を持った新たな製品やサービスを提供するために、私たちパワーエレクトロニクスの事業があります。

2030年に向けてパワーエレクトロニクス技術を持ってない製品はもう無いと言われています。そうした状況の中で、今、パワーエレクトロニクス技術に投資をすることで長期的に1000億円規模の企業というのが現実的な目標に近づいていく。そこからまた新たな技術開発とか技術投資ができる会社に進化していくはずです。
解決しなくてはいけない課題は山積みですが、BEMACは千載一遇のチャンスに対して一手を打ったという事実があります。「BEMACに大電圧や大電流の扱いができるわけがない」という意見も、今では「じゃあやってみせよう!」とモチベーションになるくらい、私もメンバーも前向きです。
数年後どこまで進化しているか、世の中にどれくらいのインパクトが与えられるかを想像すると、やるべきことが見えている今の状況はすごく面白いですね。
BEMACがさらに進化するための、新たな礎をつくる段階ですので大変の連続ではありますが、こんなに新しいことを連続して経験する機会はそうそうありません。すべてのエンジニアにとって、大きく成長できるチャンスになるはずです。ぜひBEMACに飛び込んできてください。

パワーエレクトロニクス
システムグループ・グループ長
試験棟建設施工調整、舶用以外の用途へのパワエレ事業拡大、産学官連携でのパワエレ・電動力応用製品の新規事業立上げ、ゼロエミッション船拡大に向けたターゲット案件のシステムエンジニアリングなどを実施。